アルファから突然オメガへ…君は僕のもの…【オメガバース】BLボイス

シナリオ
___はい、それじゃあ今日はここまで!
課題の提出、忘れないようにね。
あれ、君、今日はいいの?
そっか、体調が優れないならしっかり休むべきだね。
な、何か恥ずかしいな……いつも君が、あれ教えてください、これ教えてください、って僕の研究室に来るのに慣れちゃってて、それがないとなぜか落ち着かない僕がいるんだ。
それに、君はよくアルファについての研究に手伝ってもらってるから、少し無理をさせちゃったかもしれないね。
研究って言っても、ちょっとしたテストとか軽い血液検査だけど……君にとっての負担になってたかな。
そう?それならいいんだけど。
悪化させないためにも、今日はゆっくり休むんだよ。
……あっ、でも帰る前に僕の研究室に寄ってくれないかな?
この間提出してくれたやつ、返したいんだ。
うん、待ってるね。
コンコン。
はーい、どうぞー。
あっ来てくれてありがとう、体調悪いのに無理させちゃってごめんね。
とりあえずそこ、座って?
君のためにお茶を用意したんだ、少しでも良くなるといいな、って思って。
僕は医者でこそないけど、人に関わるものについて研究してるからね。
それに、最近この時間はずっと君と一緒だったんだから、君の変化には目ざといよ。
はい、どうぞ。
出してから聞くのもなんだけど……ハーブティーは平気?
良かった。
症状を和らげたり、リラックスさせる効果があるんだ、効くといいんだけどな。
美味しい?良かった~!
うん、なんだかさっきよりも顔色もいいね。
お…..ごめん、近寄りすぎたね。
あっ、そうだそうだ、提出物の返却だった。
今回もすごく良かったよ、僕の話、細かいところまでちゃんと聞いてくれてるんだなーって思った!
特にアルファ、ベータ、オメガの傾向についてよくまとめられてる、分かりやすかったよ。
これについて、もっと細かい調査を進めて行けば、もっといいものになると思う。
こんな出来の良い生徒を持てて、先生は嬉しいな~、あはは、なんて!
同じアルファとして、そして、同じ人のベータ性について研究しているものとして、誇らしいよ。
僕にもできることがあったら手伝うからね、応援してる!
はい、今回もお疲れさまでした、どうぞ!
あっ、ごめん……!
紙で指、切っちゃった?
痛いよね、今止血するから……ええと、
……ああもう、ちょっと、ごめんね。
……ん?
なんだろう、これ……。
いや、なんでもないよ。
ごめんね、咄嗟にガーゼが見つからなくて、つい。ちょっとだけ指で抑えててくれる?
……どうしたの?力が入らない?
そっか…..良かった。ちゃんと薬が効いてきたみたいだね。
君、風邪じゃないでしょ。
声、喉の動き調子から喉の異常は感じないし、体の動きにも特に変わったところは見られない。
今日の講義だって、いつもと変わらずに受けてた。
気になったのは……少し、挙動不審だったってところかな。
目を合わせないようにしてたり、いつもより話すテンポが速かったり。
困るんだよね~、研究対象に隠し事されちゃうと。
……ああ、もう、僕の声もほとんど頭に入らないのかな。いいよ、それで。
時間はたっぷりある、焦る必要はない。
今は、ゆっくりお休み。
……それにしても、さっきの血、なんか違和感っていうか……起きたらまずは血液検査からかな。
場合によっては、薬の投与も考えないと。
研究の手伝いをやめたい、なんて言い出したらどうしようかな~。
アルファそのものの数が少ない上、ああいう従順な子は貴重だよな…..。
うん、やっぱり手放しちゃダメだ。
君は模範的なアルファとして、僕の研究に付き合ってもらわなきゃ困るんだから。
あっ、起きた?そんな時間は経ってないから。
うん、瞳孔の動きも問題ないね。となると、そうだな。ん?あっ状況が飲み込めないから混乱してるのかな?君にはちょっとだけ、眠ってもらってたの。怪しい薬は入れてないよ?
君についてちょっと気になることがあったからね。調べようと思って。大丈夫だよ。
きみが、寝てる間に済ませたから。あっ別に特殊な検査じゃないよ。
ただの血液検査。
ん、そんなに表情強ばらせてどうしたの?
血液検査なんて、この間もしたよね?この反応といえ、さっきの慌てようといい、君ってばどうしちゃったの?
君はアルファなんだから、やましい事なんて何も無いでしょ?数少ない優秀な人間。それは、きみが生まれた時から決まっていて、変わることなんてないんだから。
もっと堂々としててもいいと思うんだ。変わることなんて、ない。
そう思ってたんだけどね、どうやら違ったみたい。もう知らないフリするのもやめよっか。
きみさ、アルファからオメガになってるでしょ?
ちがう?でも、さっきした血液検査では、オメガってでたけど。
数値だってオメガの特徴とよく当てはまる。それに、君も自覚してるんでしょ?もう自分はアルファじゃないって。
だからこそ僕を避けた…だから、あんなに慌ててた。
自分がアルファでない事実がオメガとなってしまった事実を突きつけられるのが怖かった?
バレたくなかった、か。
ま、ある日突然オメガになったなんて言えないし、知られたくないよね。
オメガって言えば少なからず軽蔑する人は居るだろうし。でもね、安心して。僕はそんなこと全く気にしないよ。それどころか、君にもっと興味が湧いた。だってベータからアルファに変わることはあったけど、アルファからオメガになんて、1度も見られなかったケースなんだよ。
変化によってどう変化するのか、普通のオメガに見られない特異性があるのか、それはまだ世界の誰もが知らないんだ。
世界をあっと言わせるような可能性を君は秘めてるってことなんだよ。ほかのオメガとはちがう、特別なオメガ。
そんな君を軽蔑なんてするわけないよ。だからね、僕の研究にこれからも手を貸してくれる?
大丈夫だよ。周りに言いふらしたりなんか絶対しない。君とは良好な関係でいたいんだ。キミとの生活のサポートだってするから。だめかな?
ほんとに?嬉しいよ。ありがとう。
例えバース性が変わったって、君は優しいままだね。
さ、そうと決まれば早速いこうか。ん?どこにって僕の家だけど?
本格的な研究をするなら、僕の家の方がいいし、僕の家に居ないと困るのは君だと思うよ。
うん。これから僕の家で過ごしてもらうつもりだけど?
あのね?よく聞いて。君は根本的にはオメガなんだよ。オメガなのがバレたらどうなると思う?
間違いなく君を見る目が変わるだろうね。尊敬は軽蔑に。親愛は劣情に…君に好意的だった人が、これからもそうだとは限らない。人は簡単に見方を帰るからね。それにアルファだって、君みたいにいい人ばかりじゃない。もし発情期がきたら無理やり番にされるかもしれないんだよ。だからキミのオメガがどのような性質なのか、はっきりわかるまで無闇に外に出ない方がいい。
大学には僕から上手く連絡しとくし、君は何にも心配しなくていいんだよ。
これは誘拐だとか監禁なんかじゃないよ。キミを守るための、保護の一環だよ。
今の君を理解して、適切な対処が出来るのは僕だけ。僕だけが、君の助けになれる。
アルファでなくても、頭のいいキミなら理解してくれるよね?
ん、ほんっとうに物分りがよくて助かるよ。
それじゃあいこうか、君のことは僕が守ってあげるからね。
商品紹介
『骨の髄まで僕のもの』
台本:LT様@LT71507342 よりご提供頂きました
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11458680
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