捨てられ神様に愛されて、帰れない

シナリオ

神隠し

捕まえた

やあ

起きたみたいだね

気分はどうかな

うん

大丈夫なんだね

よかった

ここはどこって

ここはね

私の住んでいる神社だよ

参道で君を見つけてね

意識を失っていたから

この本殿に運ばせてもらったんだ

いやいや

感謝されるほどのことじゃないよ

これは

ただの恩返しだからね

そう

恩返し

この神社に

何度もお参りに来てくれたり

掃除をしてくれたりした恩返しだよ

ああそうだ

自己紹介がまだだったね

私はね

ここの神社で祀られている

神様なんだ

名前は

呼んでくれる人がいなかったから

忘れちゃったかな

だから

神様でも

あなたとでも

呼んでほしい

大したことじゃないって

そんなことはないさ

だって

君のおかげで

私はまだ存在

していられるんだから

神様はね

参拝に来てくれる人や

覚えていてくれる人がいないと

消えてしまうんだ

けれど

この神社から神主が消えて以来

誰も来てくれなくなってね

私は

ひとりぼっちで

消えていくところだったんだ

でも

君が来てくれるようになった

君だけが

この神社に来て

私のことを大切にしてくれた

君がしてくれたことのすべてを

覚えているよ

境内に飲み放題の雑草や

溜まっていた落葉を

掃除してくれたね

埃が

かぶっていてかわいそうだからって

神社を掃除してくれたよね

そして何より

毎日ここに来ては

手を合わせて

挨拶をしてくれたよね

本当に嬉しかったんだよ

だから私は

君をここに連れてきたんだ

この世界にいれば

老いることもなく

死ぬこともない

君を

毎日悩ませている不愉快な奴らとも

顔を合わせなくていい

ず

っと

幸せに暮らせるんだ

ね

嬉しいだろ

君は私の

お嫁さんになるんだ

そう

お嫁さん

だってこれからは

ここにず

っと一緒にいるんだからね

お

家に返して

どうして

君だって言ってたじゃないか

この場所が好きだって

落ち着くって

それなのに

帰りたいのかい

わかったよ

なら

一つ勝負をしよう

これから

私と一夜を過ごすんだ

夜が明けるまでの間

私は君を愛撫し続ける

本当は間具合いたいところだけど

まだお嫁さんではないからね

もし君が

一度も絶頂せずに夜明けを迎えたら

元の世界に帰してあげよう

好きでもない男にされたって

気持ちよくないはずだろう

それなら

本当に私を好きじゃない

って諦めもつく

けれどね

もし一度でも絶頂したのなら

これからは

ず

っと

私と一緒だよ

ふん

どうかな

勝負をするか

それともずっとしないか

ゆっくり考えていいよ

時間ならたくさんあるからね

ふふ

私は寝屋で待っているから

準備ができたらおいで

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