Shio Satou] High School Boys and Their Umbrellas

Love2

scenario

Chapter 1

もしかしてお前も今から帰る？悪い、今日傘忘れちゃってさ、駅まで入れてってもらえない？やった。ありがとう。じゃあ俺が傘持つよ。

夏休みあっという間だったな。宿題全部終わった？ですよねですよね。お前はいつも計画的にちゃんとやってるもんね。俺もね、今年は頑張ったよ。

あとは読書感想文だけ。新学期始まってるのにって。いいのいいの。現代文は明後日だからまだいける。そういえばさ、休み時間に女子5,6人で集まって話してたじゃん？あれってさ、何話してたの？

ん？盗み聞きなんてしてないよ。本当に。本当に。ごめん。本当はちょっとだけ聞こえた。好きな人の話的な？いや、本当にそれだけしか聞こえてないから。誰が誰好きとか。全然。

本当本当。てかさ、お前も恋バナとかするんだな。どういう意味って、いやあ、なんか女子みたいだなって。

おい、傘引っ張らなよ。冗談。ごめんって。濡れちゃうから。もう、そんなんだよ怒ってたら一生彼氏できないよ。もう彼氏いる？嘘？マジで？

聞いてないんだけど。相手は？友達に紹介された他の高校の人？そうなんだ。いや、ちょっとびっくりしただけ。

ね、だってお前に彼氏できるとか想像してなかったし。もうお母さん引っ張るのやめろって。ごめんごめん。そういう意味で言ったんじゃないから。いつから付き合ってんの？夏休み？なんだ、めちゃくちゃ最近じゃん。かっこいいの。

へえ。写真？写真はいいわ。何か。いや、嘘。やっぱ見たい。なるほどね。ふうん。感想それだけって、まあ良いんじゃない。なんか優しそうで。駅着いたね。

傘入れてくれてありがとうね。うん、ちょっと待って。俺さ、お前に謝らなきゃいけないことが一つあるんだけど。本当は今日も折りたたみ傘持ってたんだよね。嘘ついてごめん。

どういう意味って、それくらい自分で考えろバーカ。いくらお前でも察したと思うけど、そういうつもりで言ったから。せいぜい俺のことで悩めよな。じゃ、また明日学校でな。

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雨津庵様『恋人未満の男友達と相合い傘するだけ』
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